相続法・関連制度の改正一覧(2019年〜2024年)
| 実施年・施行日 | 主な改正内容 |
|---|---|
| 2019年1月13日施行 | ・自筆証書遺言の方式緩和(財産目録をパソコンで作成可能に) |
| 2019年7月1日施行 |
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| 2020年4月1日施行 | ・配偶者短期住権・配偶者居住権の新設 |
| 2020年7月10日施行 | ・自筆証書遺言の保管制度の創設(法務局で保管可能に) |
| 2023年4月1日施行 | ・遺産分割協議に期限(10年ルール)を導入 ・遺産共有者の共有分割請求権、相続財産管理制度の整備 ・相続放棄した者の管理義務を限定(現に占有している場合のみ) ・遺言がある場合、受遺者が単独で名義変更手続き可能に |
| 2023年4月27日施行 | ・相続土地国庫帰属制度の創設(不要な土地を国に変換可能に) |
| 2024年1月1日施行 | ・相続税・贈与税の税率構造の見直し(最高税率50%→55%) ・相続時精算課税制度に基礎控除(110万円)を新設 |
| 2024年4月1日施行 | ・相続登記の義務化(相続開始から3年以内) ・所有者不明土地に関する新制度(共有制度の見直しなど) |
自筆証書遺言の方式緩和
財産目録については、手書きで作成する必要がなくなります
現行法
改正後(2019年1月13日以降)
ただし、自筆証書に一体のものとして、自書によらない、財産の全部または一部を記載した財産目録(不動産登記事項証明書や預金通帳の写しも可)を添付することにより、自筆証書遺言を作成することができるようになります。(財産目録については、全てのページに遺言者が署名捺印する必要がある)
法改正により財産目録は手書きで作成する必要がなくなり、大幅に手間が少なくなります。
自筆証書遺言のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 印鑑と筆記用具があれば作成可能 | 財産目録は自書不要だが、全ページに署名押印が必要で一定の手間 |
| 公証人費用が不要で、作成費用がほとんどかからない | 自宅で保存すると紛失・盗難・発見されないリスクあり |
| 遺言の内容を秘密にできる | 相続人に事前に内容が伝わらず、死後に争いの原因となることがある |
自筆証書遺言の保管制度
自筆証書遺言を利用する場合の主な問題点
改正後(2020年7月10日施行)
法務局における「自筆証書遺言保管制度」の創設
・ 「遺言書の保管の有無」のほか、遺言書がある場合には「遺言書が保管されている法務局の名称」、「保管番号」が記載された証明書
・「遺言書の画像」や「遺言書の保管開始年月日」、「遺言書作成年月日」、「遺言者の氏名・生年月日・住所
・本籍」等が記載された証明書
保管制度の手続きの流れ
① 遺言者が法務局に法務省令で定める形式で作成した無封の遺言書を持参して申請(遺言者の住所地・本籍地または遺言者の所有する不動産の所在地を管轄する法務局)
② 法務局で本人確認と形式審査を行い、不備等がなければ遺言書を保管が可能
③ 相続を開始
④ 相続人や受遺者等の相続関係人が、法務局に、遺言書情報証明書の交付や、遺言書の閲覧を請求
⑤ 遺言書が保管されていれば、法務局は請求に応じるとともに、他の相続人や受遺者等に、遺言書を保管していることを通知
⑥ 遺言書の検認手続は不要で、遺産の承継者は、すぐに相続手続可能
遺言書の検認ついて
改正前
自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所で「検認手続」を受けなければ効力を発揮できませんでした。
改正後(2020年7月施行)
通常の自筆証書遺言は従来どおり検認が必要です。
ただし、法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用した場合には、検認手続を省略できます。
法改正によるメリット
- 法務局で原本保管されるため、紛失や破棄の心配がない
- 保管時に形式チェックが行われるため、方式違反の恐れが少ない
- 家庭裁判所での検認が不要になり、相続手続きをすぐに開始できる
注意点
よくあるトラブルを防ぐための留意点
- 遺留分への配慮がされていない
- 相続税の影響を十分に検討できていない
- 付言事項を活用できておらず、家族間に争いが残る
預貯金の払い戻し制度
改正前(以前の仕組み)
- 銀行にある預貯金は「遺産分割協議」の対象でした。
- 相続人の一部だけで「自分の分を払ってほしい」とお願いしても、払い戻しはできませんでした。
→この点は平成28年12月19日の最高裁判所の判断でも確認されています。
改正後(2019年7月1日以降の仕組み)
法律が変わり、遺産分割協議がまとまる前でも、相続人は一定額まで単独で払い戻しができるようになりました。
払い戻せる金額の計算方法
相続開始時の預金残高 × 1/3 × その相続人の法定相続分
- ただし、1つの金融機関につき上限150万円までです。
- 複数の口座があっても、同じ銀行であれば合算して計算されます。
払い戻しを利用できる場面
- 葬儀費用の支払い
- 相続手続きが終わるまでの生活費
- 急ぎの支払い(借金返済など)
などに充てることができます。
注意点
金融機関は、払い戻しの申請をした人が本当に相続人かどうか確認します。
そのため、戸籍を集めて「誰が相続人か」を証明する手続きが必要です。
必要な書類がすべてそろっていても、解約まで1週間以上かかることが多いです。
被相続人(亡くなった方)の戸籍一式を金融機関ごとに提出する代わりに、法務局で作成する一覧図を使うと、手続きを簡略化できます。
主な必要書類
- 被相続人(亡くなった方)の戸籍一式(出生から死亡まで)
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人の戸籍謄本
- 払い戻しを申請する相続人の本人確認書類(運転免許証など)
(+任意ですが「法定相続情報一覧図」を添付するとスムーズです)
特別寄与の制度
相続人以外の者の貢献を考慮するための方策の新設 介護などを行った場合に、相続人以外でも寄与分を請求できるようになります!
現行法(改正前)
共同相続人が、被相続人の事業に関する労務の提供や財産上の給付、療養看護などによって財産の維持・管理に特別の寄与をした場合、その相続人は他の相続人との協議または家庭裁判所の決定により、寄与分を加えた額を相続分とすることができます(民法904条の2)。
改正後(2019年7月1日施行)
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務提供をし、財産の維持・増加に特別の寄与をした 相続人以外の親族(特別寄与者) は、相続開始後に相続人に対して「特別寄与料(寄与に応じた金銭)」の支払いを請求できます。協議でまとまらない場合は家庭裁判所に申立てることができ、請求期限は「相続開始および相続人を知ったときから6か月以内」または「相続開始から1年以内」のいずれか早い時点までです(民法1050条)。
配偶者短期居住権とは?
以前は、夫婦が同じ家に住んでいて夫が亡くなった場合、相続が終わるまで「そのまま住み続けてもよい」と裁判所が考えるケースが多くありました。ただし、法律で決まっていたわけではなく、はっきりしたルールはありませんでした。そこで2020年4月の法律改正により、新しく 「配偶者短期居住権」 という制度ができました。
これにより、配偶者は安心して自宅に住み続けることができます。
つまり「急に家を出て行かなければならない」という心配はなく、配偶者の生活が守られる仕組みです。
料金プラン
申請代行のみ
エコノミープラン
書類はご自身で準備。不動産1件・相続人2名まで。追加:相続人+5,500円/不動産+11,000円
60,500円
戸籍収集から登記まで一括
スタンダードプラン
相続人2名・不動産1件・戸籍6通程度。最も選ばれている安心のセットプランです。
108,900円
預貯金・証券等の名義変更まで
フルパックプラン
不動産+預貯金・証券・保険。例:相続人3名・不動産1件・銀行3口座なら544,500円(税込)
363,000円〜